心象 (2023) 92×90cm×(2) 23-01
朴一南 박일남
(PARK. IL-NAM)
1957.1 生 神戸市在住 在日KOREAN
大学を経て20代前半から本格的な作家としての活動を始める。
国内外で催されたBiennale、国際美術展をはじめ数多くのGroup Exhibitionsで作品を発表。
継続的に開催されるSolo Exhibitions(企画展)を舞台として活躍中。
朴 一南 作品の軌跡
「間(あいだ)」から「間(あわい)」へ
「作品は人である」とは言い尽くされてきた言葉であるが、「モノ」としての作品だけでなく「コト」をも表現し始めたと痛感した作品展に誘われた。朴一南 展 ―心象―である。且ってのテーマ―「間(あいだ)」時代の作品は、自作の変形キャンパスに国・社会・人の狭間で感じる「境界」「隔たり」「結界」意識の表現作品を特徴としていたように思う。
すなわち、作家自らがシェープキャンパスと呼ぶ水平も垂直もない自作の変形キャンパスの様々の形状や表現に「間・Gap」意識を込めた「モ.ノ」としての主張作品であった。
その後に体験することになった電車接触事故による脳挫傷・昏睡状態に堕ちいるという「九死」に「一生」を奪い取って生還したという体験としての「コト」は、人間として「生」そのものを根底から問い直させ、表現者としての生き方、在り方に大きな変化をもたらせることになったように思われる。
リハビリを兼ね珪藻土と絵具を混ぜた自前の画材を使って、効かない右手に左手を添えて、指で描く訓練を試みたり、創作概念に「陰陽思想」や「五行説」を引用、画布の裏面に、面相筆や時に指筆で、 薄墨、水墨、濃淡墨を用いて、描象された黒色線条、黒色線条痕、薄墨で表現された筆跡痕などにその「コト」から受けた影響を窺うことはそれほど困難なことではない。
作品ではなく「モノ」作りの苦闘の日々であったことは、文字通り「作物」作りであって、「作品」作りではないことは辛ったと思う。
今回の展覧会の副題に「思うこと考えること」とあり、「・・・心の動きを意味する思惟を見つめ浮かぶ象を心の赴くままに・・・・」と、自らも記しているように、描かれたというより心の赴くままに採りだされてきたように思える、線条痕・墨跡痕・墨点等々の意味するものが、正しく彼自身の大脳内のニューロンや伝達細胞シナプスの世界の心象表現されたものと私には映ります。
最近の大脳生理学者たちの研究成果として、作品を見た瞬時に、鑑賞者としての私の脳内に活動電位が発生し、脳内の伝達細胞シナプスは他の細胞に入力された情報を伝達する。この活動が始まると作品と鑑賞者としての私との間に流動電位が還流すると報告されています。
この不可視の流動電位を、私は「気(き)の流れ」と名ずけています。
天文用語の「気象」「天気」や「陽気」という「気」の文字に窺われるように可視化できないが気配の感じられる不可視の空間を、私は「間(あわい)Overlap」と命名しています。
「間Gap」が意味する距離感の 「かん」でも「ま」でも「あいだ」でもありません。
彼の作品と鑑賞者の間に還流する「気」の満ちた「間(あわい)」空間で、違いや、異なりではなく、相互に重なり合う意義の確認や共生の重要性を、「コト」・「モノ」と共に受け取る自らの情操力を朴一南作品世界で試してみる意義は充分にあると思われます。
今回の展示作品を含め、彼の近作に「間(あわい)」すなわち「重なり」や「アソシエイト」が意味する強くて深い人と人との繋がりの大切さを強調するイメージ性メッセージの強い作品が顕著であると感じるのは、私の思い込みだろうか?
いずれであれ、朴一南という稀有な体験を持った在日地球人が「あいだ」から「あわい」への創造視点の位相を果たしつつあると言えます。
特定法人 京都藝際交流協会 JARFO 石田 浄
個展 ※1997年以外企画展
2023 心象 -思うこと考えること/同時代ギャラリー(京都)
2019 Line /鼓動同時代ギャラリー(京都)
2017 Line - 生/ギャラリー(京都)、芦屋画廊kyoto(京都)
2015 Line - 間 /同時代ギャラリー(京都)
2014 Line ART/芦屋画廊(芦屋)、ギャラリー素(京都)
2013 Line ART/同時代ギャラリー(京都)
2012 Line ART/芦屋画廊(芦屋)
2011 Line ART/同時代ギャラリー(京都)
2010 Line ART/芦屋画廊(芦屋)
2009 陰陽五行/ギャラリーほりかわ(神戸)
2008 陰陽五行/同時代ギャラリー(京都)、芦屋画廊(芦屋)、同時代コラージュ(京都)
2007 陰陽五行/ギャラリーほりかわ(神戸)
2006 陰陽五行/ギャラリ-あじさい(神戸)、芦屋画廊(芦屋)
2005 陰陽五行/中井三成堂(姫路)
2004 陰陽五行/ア-トスペ-スK・ギャラリ-NAW共同企画(大阪)
2003 陰陽五行/芦屋画廊(芦屋)
2002 사이-間-GAP/ア-トスペ-ス虹(京都)、ア-トスペ-スK(大阪)、ギャラリ-NAW(大阪)
1998 時・壁/トアロ-ド画廊 (神戸)
1997 アリラン(아리랑) /ギャラリ-ミウラ(神戸)、ぎゃるり しらの(東京)
2018 2018 Word Korean Grand Art Festival/Soul Arts Center Hangaranm Design Museum(韓国)
2018 KoreanDiaspora,Beyond Dispersion /京畿道美術館(韓国)
2017 Diaspora「世紀の越えて」/慶南道立美術館(韓国)
2015 解放70周年記念「ディアスポラの船」/アンドン芸術の殿堂(韓国)
2009 Korean Diaspora Artists in Asia/国立現代美術館(韓国)
2008 -絵画-平面を巡る思考×4/ギャラリー開(神戸)
2005 NeoVesselAREUM 04-05 EXHIBITION CPS Gallery(米国・New York)、(韓国・ソウル)
2004 NeoVesselAREUM 04-05展/京都市美術館(京都)
2002 KIAF-韓国国際ア-トフェア2002(韓国・釜山
2002 第 4 回 光州ビエンナ-レ/光州ビエンナ-レ館(韓国・光州)
2002 2002アルン展 ―在日コリアン美術を起点にしてー/京都市美術館(京都)
2001 Piece For Peace 2001/原爆の図丸木美術館
2001 第53回 沖展 招待出品(沖縄)
2000 第3回光州ビエンナ-レ記念 在日の人権展/光州市美術館(韓国・光州)
1999 在日韓国朝鮮現代作家美術展(宝塚市)
1999 アルン展-在日コリアン美術展/京都市美術館(京都)
1998 在日KOREAN 美術展/福岡市美術館(福岡)
1993 KOREA統一美術展/東京セントラル美術館(東京)、大阪現美センター(大阪)
1992 JARAビエンナ-レ展/東京都美術館(東京)
国立現代美術館/韓国
光州市立美術館/韓国
慶南道立美術館/韓国
京畿道美術館/韓国
개인전
※1997년 이외 기획전
2023 심상 - 느끼는것 생각하는것 - / 도지다이 갤러리 (교토)
2019 Line -고동- / 도지다이 갤러리 (교토)
2017 Line - 생 - / 도지다이 갤러리 (교토), 아시야 화랑 kyoto (교토)
2015 Line - 사이 - / 도지다이 갤러리 (교토)
2014 Line ART / 아시야 화랑(아시야), 갤러리 소(교토)
2013 Line ART / 도지다이 갤러리 (교토)
2012 Line ART / 아시야 화랑(아시야)
2011 Line ART / 도지다이 갤러리 (교토)
2010 Line ART / 아시야 화랑(아시야)
2009 음양 오행 / 갤러리 호리카와(고베)
2008 음양 오행 / 도지다이 갤러리 (교토), 아시야 화랑(아시야), 도지다이 콜라주(교토)
2007 음양 오행 / 갤러리 호리카와 (고베)
2006 음양 오행 / 갤러리 아지사이 (고베), 아시야 화랑 (아시야)
2005 음양 오행 / 나카이산세이도(히메지) ,
2004 음양 오행 / 아토스페스K(오사카), 갤러리-NAW(오사카)
2003 음양 오행 / 아시야 화랑(아시야)
2002 사이-間-GAP / 아토스페스니지(교토), 아토스페스K(오사카), 갤러리-NAW(오사카)
1998 시·벽 / 토아로-드화랑(고베)
1997 아리랑(아리랑) / 갤러리-미우라(고베), 캬루리 시라노(도쿄)
주요 전시회
2018 2018 세계 한민족 미술대축제 예술의전당 한가랑디자인미술관1.2관 (한국)
2018 코리안 디아스포라 이산을 넘어 / 경기도 미술관 (한국)
2017 Diaspora「세기를 넘어」/ 경남도립미술관 (한국)
2015 해방 70주년 기념 '디아스포라의 배' / 안돈 예술의 전당 (한국)
2009 Korean Diaspora Artists in Asia / 국립 현대 미술관 (한국)
2008 - 회화-평면을 둘러싼 사고 × 4 / 갤러리 카이 (고베)
2005 NeoVesselAREUM 04-05 EXHIBITION(미국・New York, 한국・서울)
2004 NeoVesselAREUM 04-05전 / 교토시 미술관 (교토)
2002 KIAF-한국국제 아트페어 2002 (한국・부산)
2002 제4회 광주 비엔나-레 / 광주 비엔나-레관 (한국・광주)
2002 2002 아름전-재일 코리안 미술을 기점으로- / 교토시 미술관 (교토)
2001 Piece For Peace 2001 / 원폭의 그림 마루키 미술관
2001 제53회 오키전 초대 출품 (오키나와)
2000 제3회 광주비엔나-레 기념 재일의 인권전 /광주시 미술관 (한국・광주)
1999 재일한국조선현대작가미술전 (다카라즈카)
1999 아름전-재일 코리안 미술전 / 교토시 미술관 (교토)
1998 재일 KOREAN 미술전 / 후쿠오카시 미술관 (후쿠오카)
1993 KOREA 통일미술전 / 도쿄센트럴미술관 (도쿄), 오사카현미센터 (오사카)
1992 JARA 비엔나-레전 / 도쿄도 미술관 (도쿄)
퍼블릭 컬렉션
국립현대미술관 / 한국
광주시립미술관 / 한국
경남도립미술관 / 한국
경기도 미술관 / 한국
PARK. IL-NAM
作品集
2024年3月1日刊行
( カラー:A4判64P / 定価1,000円 )
販売についての情報は後日、お知らせがあります。
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